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マラウイへの農業教育支援レポート
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マラウイ トリップ リポート2025:農業教育支援(SAFI)
〜未来の世代の自立を育む、学び支援の現場を視察してきました~

世界でもっとも貧しい国のひとつ、マラウイ共和国。労働人口の62%*が農業の仕事をする伝統的な農業国ですが、知識不足や小規模経営により収入が不安定で、深刻な貧困状態にあります。
米国本社のニュースキン フォース フォー グッド財団(以下、FFG財団)は2007年、現地パートナーのナポレオン ゾンベ氏と共に、「家族が自給自足の生活をできるようにサポートする」という共通の目標のもと、農業学校SAFI(サフィ)を設立しました。
家族が経済的に豊かになれば、子どもたちは栄養のある食事をとり、学校に通うことができます。私たちは、そうした環境づくりに長期的に取り組むことで、子どもたちに明るい未来を届け続けています。

*2023年世界銀行調べ

マラウイ トリップ リポートSTART

ニュースキンがサポートする農業学校SAFIを視察
夢や希望をもって「自立」へと歩むマラウイの今がありました

今年7月、会員代表と社員がマラウイを訪れ、ニュースキンと会員のみなさまが力を合わせて続けている支援が、人々の暮らしにもたらす「確かな違い」を肌で感じてきました。少しずつ豊かになっていく現地の様子から、未来へとつながる希望を感じていただければ幸いです。

基本情報をCHECK

マラウイ トリップ概要

日程 2025年7月16日〜19日
参加者 世界各地から総勢42名(うち日本からは12名の会員と社員)
視察内容

1 ナリッシュ ザ チルドレン プログラム(ビタミール) ※ページは近日公開予定。
子どもたちの命と未来を支える食糧支援
※2002年に米国、2003年に日本で開始

2 農業教育支援(SAFI)
未来の世代の自立を育む学び支援
※2007年にニュースキン フォース フォー グッド財団(米国/以下、FFG財団)が開始

■マラウイ共和国とはどんな国?

アフリカ南部に位置する内陸国。マラウイでは、5歳以下の子どもたちの2人に1人が栄養不全に陥っていると言われています。さらに、自然災害の頻発や、HIV感染率の高さなど、子どもたちは生まれたときから多くの困難を背負っています。

■マラウイの農業の現状と課題

マラウイは伝統的な農業国であり、労働人口の約62%*が農業関係事業に従事しています。農村部では、ほとんどの世帯が農業に依存していますが、以下のような課題が指摘されており、慢性的な貧困状態にある国として数えられています。

  • ・農業の基本的な知識や技術が不足している
  • ・収穫量が限られていて、安定した収入につながりにくい
  • ・小規模農業が中心で、収入が不安定かつ低水準
  • ・気候変動や災害の影響を受けやすい
*2023年世界銀行調べ

ニュースキンの支援1
SAFIでは、何を教えるの?

家族の自立を支援する農業学校
SAFI

スクール オブ アグリカルチャー フォー ファミリー インディペンデンス
School of Agriculture for Family Independence

SAFIは、2年制の教育プログラムです。

1年目:生徒はSAFIのあるタリマンジャ村で学びます。村には約40人の農民とその家族が住める施設があります。SAFIでは、大人だけでなく子どもたちも学校に通います。夫婦は、ここで正しい農業技術を学び、子どもたちは初等教育や中等教育を受けます。生徒の多くは、SAFIに入学しなければ自分たちが学ぶことも、子どもたちを学校に通わせることもできませんでした。

\こんなことを学びます/
農業経営、灌漑(かんがい)、栄養学、畜産など、さまざまな分野

2年目: 生徒は自分たちの村に戻ります。タリマンジャ村を離れる際に、生徒は農耕具と種を受け取り、それらを使い、SAFIで習得した知識と技術を活かして農作業を行います。また、生徒は学びを村の人たちに伝える役割も担います。
2年目もSAFIの指導員によるサポートは続きます。生徒が技術を適切に応用してよい成果を上げられるように支援すると共に、学んだ技術を村の人々にきちんと伝えていることも確認します。

\学びを広める活動も行います/
SAFIで学んだ生徒は「リード ファーマー」(地域の農業技術指導者)となり、5〜10人の「フォロワー ファーマー」(指導を受ける農民)を育成します。
習得した技術を地域の人々に伝えるこの仕組みは自立支援につながり、これまでに国内で数千人規模*の農家が育成されています。
*SAFIで1年間の研修を受けた生徒だけでなく、家庭や地域など特別な事情を抱える農民を対象とした短期研修の受講者も含めた仕組みです。


所在地:タリマンジャ村(マラウイ中央部のチャカザ地区に位置)


タリマンジャ村の名前の由来をご紹介
SAFIのためにつくられた村の名前「タリマンジャ」は、現地の人々がつけた名前であり、チェワ語では「与える長い手」という意味があります。

SAFIの歩みと広がり

2002年:SAFI設立の構想の始まり

ナポレオン ゾンベ氏が、飢饉(ききん)への対応を目的とした地域ベースの組織として、SAFI設立の構想をスタート。

2007年:SAFI設立

ナポレオン ゾンベ氏、米国本社のFFG財団、地元の非営利団体、市民団体が提携してSAFIを設立。FFG財団が運営をサポート。

2012年:ニュースキンジャパンによる農業教育支援がスタート

SAFIは「マラウイの人々の自立をサポートする」という目標を着実に達成していますが、1年に約40組の家族しか受け入れることができません。そこで、日本のニュースキンジャパン フォース フォー グッド基金による支援で、政府に雇用された農業指導員をSAFIでトレーニングし、その指導員と協力して農業知識や技術を広めるプログラムを開始しました。村では、選ばれた模範的な家族にトレーニングを行い、リード ファーマー(地域の農業技術指導者)を育成し、このリード ファーマーがそれぞれ、さらに5人のフォロワー ファーマー(指導を受ける農民)を育成します。SAFIのノウハウを実践しながら指導する農家を増やすことで、以前よりはるかに多くの農民の自立をサポートできるようになりました。
また、畑で効率よく収穫ができると農家にはインセンティブが与えられます。インセンティブと農業での成功体験が参加家族の意欲を高め、同じ村の農民たちによい影響を与えています。

プログラムは、いくつかのカリキュラムから構成され、段階的に習得できるようになっています。

STEP1 輪作農園
化学肥料や農薬を使用せずに家庭菜園で野菜を栽培する近代的な農法を学ぶ。人間栄養学、堆肥のつくり方、衛生管理についても包括的に習得。

STEP2 作物学
堆肥を使用した環境保全型農法により、トウモロコシ、大豆、ピーナッツなどの作物を栽培する技術を習得。

STEP3 家畜学
家族がタンパク質源として肉と卵を摂取できるよう、地鶏の飼育方法を重点的に習得。

STEP4 アグリビジネス
農作物や畜産物の販売を通じて家庭収入の向上と経済的自立を目指すための知識とスキルを学ぶ。

STEP5 ジェンダー平等
家庭や地域における男女の役割や責任を理解し、平等な関係を築くための考え方を習得。

厳しい基準をクリアした農家が「リード ファーマー」に選ばれます
対象は18歳以上50歳以下の方です。農業に関心があり、学んだ知識や技術を伝える意欲があることが求められます。また、現地語で読み書きができることが必要です。長く村に住んでいる方は、学んだ技術を地域に広めやすいため、優先されます。

ニュースキンの支援2
ウェルズ オブ ホープ(希望の井戸)プロジェクトって何?


米国本社のFFG財団は、2016年よりマラウイ全土で深刻な水不足の解消に取り組む井戸掘削プロジェクトを展開しています。このプロジェクトは、安全な飲料水を必要とする地域に井戸を設置し、コレラをはじめとする水系感染症のリスクを軽減することを目的としています。井戸は、SAFIおよびSAFI卒業生が暮らす地域に設置されていて、行政による水質調査も実施されています。これにより、安全な水が確保されるだけでなく、家庭菜園の普及や堆肥づくりの推進など、地域の生活環境の向上にも貢献しているそうです。

\こんなにたくさんの井戸を設置しました/
2016年以降 179基
2023年時点で、ウェルズ オブ ホープによる井戸が18,000世帯以上に影響を与えていると想定しています。
井戸のある村とない村では、生活の豊かさに大きな差が出ているそうで、井戸の数は、まだまだ不足している状況でした。

ナポレオン ゾンベ氏について


飢饉(ききん)の際に私財を投じて人々を救ったマラウイの英雄。ニュースキンとのパートナーシップは2003年に始まりました。本当に支援を必要とする子どもにビタミールを優先的に届けるための仕組みづくりに尽力いただいたことが、協力のきっかけとなりました。その後も、マラウイの人々が自立できるよう、ビタミール工場の建設や、SAFI理事長による活動などを通じて、ニュースキンの社会貢献活動を支えてくださっています。

1958年、アフリカ マラウイ共和国生まれ。1990年代に、国際的なマラウイ救済活動 「マラウイ・プロジェクト」に参画。2000年、「ブレッシング病院」 を設立。2009年度「ネイション アチーバー賞(マラウイ全国偉業達成者賞)」受賞。


父の背中が教えてくれた、助け合いの心
ゾンべ氏は、農家の8人兄弟として生まれ、トウモロコシやタバコの栽培から運送業を立ち上げ、実業家として成功を収めました。人々を助ける活動に取り組むようになった背景には、父親の影響が大きくあります。父は自給自足の農家で、裕福ではありませんでしたが、自宅にある食糧を周囲の人々に分け与えていました。そのような「人を助ける」家庭環境で育ったゾンべ氏にとって、支援することは自然な習慣となり、現在のように人々の自立を支援する活動へとつながっています。

リポート1
SAFIキャンパスを見学


選ばれた生徒とその家族はキャンパス内の寮に1年間住み、毎日の生活の中で「実践的な授業」を受けます。住環境を見学したところ、下の写真のように、衛生管理やメンテナンスが行き届いていました。彼らはここで家庭菜園のほか、トウモロコシ、大豆、落花生などの作物の栽培を行い、鶏、ヤギ、豚、牛といった家畜の飼育も体験します。ほかの生徒と協力しながら技術を実践することで、自給自足の生活や持続可能な農業に関する知識が自然に身につくそうです。
今回の視察は時期が卒業式シーズンと重なっていたため、活動の様子を写真で紹介することができないのが残念ですが、整った環境から、生徒たちが安心して学べる場であることを実感しました。



(写真左)SAFIキャンパス内にある寮の外観。(写真右)寝室。
(写真上)SAFIキャンパス内にある寮の外観。(写真下)寝室。


(写真左)寮の外に設置されたキッチン。(写真右)トイレ。


(写真上)寮の外に設置されたキッチン(写真下)とトイレ。


リポート2
SAFI卒業式に参列


2025年には40名の生徒が卒業し、農業教育の支援数は累計で1万以上の農家へと広がりました。卒業式には日本の視察団も参列し、将来の希望に満ちあふれる卒業生の熱気を体感しました。これから卒業生は地元の村に戻り、村の人たちに新しい技術を伝える、重要な役割を担います。



(写真左)ナポレオン ゾンベ氏、ニュースキン エンタープライズ 創業者 兼 エグゼクティブ チェアマン 兼 ナリッシュ ザ チルドレン エグゼクティブ ディレクター スティーブン J. ランド、ニュースキン エンタープライズ 最高経営責任者 兼 社長 ライアン ナピアスキーをはじめとする参列者。
(写真右)卒業生40名がダンスをしながら入場。
(写真上)ナポレオン ゾンベ氏、ニュースキン エンタープライズ 創業者 兼 エグゼクティブ チェアマン 兼 ナリッシュ ザ チルドレン エグゼクティブ ディレクター スティーブン J. ランド、ニュースキン エンタープライズ 最高経営責任者 兼 社長 ライアン ナピアスキーをはじめとする参列者。

(写真下)卒業生40名がダンスをしながら入場。


(写真左)子どもと共に出席したSAFI卒業生と日本の参加メンバーが触れ合うシーン。
(写真右)SAFI卒業式後、ナポレオン ゾンベ氏と日本の参加メンバーたちで記念撮影。


(写真上)子どもと共に出席したSAFI卒業生と日本の参加メンバーが触れ合うシーン。
(写真下)SAFI卒業式後、ナポレオン ゾンベ氏と日本の参加メンバーたちで記念撮影。


リポート3
SAFI卒業生の地域を視察


ムサムファ村に戻った3家族の家庭菜園を視察しました。各家庭では多種類の野菜が整然と育てられていて、SAFIで学んだ知識がしっかりと活かされている様子がうかがえました。卒業生たちは、自らの学びを地域のフォロワー ファーマー(指導を受ける農民)にも積極的に広めていて、村全体で農業技術の向上が図られているそうです。この取り組みにより、地域の自立や持続可能な未来づくりが着実に進んでいて、教育が地域社会に具体的な成果をもたらしていることを実感しました。
訪問家族:スタニエル グッドウェル一家、イノセント フィリ一家、マセコ ンタラ一家
家庭菜園で育てられている野菜:アマランサス、カラシナ、トマト、アブラナ、チンゲンサイ、ニンジン、カボチャ、インゲン豆



(写真左)家庭菜園で育てられている野菜。(写真右)屋外で実施する堆肥法。
(写真上)家庭菜園で育てられている野菜。(写真下)屋外で実施する堆肥法。


(写真左)村の人たちの食事を準備している様子。(写真右)笑顔にあふれた子どもたち。
(写真上)村の人たちの食事を準備している様子。(写真下)笑顔にあふれた子どもたち。
堆肥のつくり方を教えてくれました
各家庭では屋外で、農作物の栽培に役立つ堆肥づくりが行われていました。トウモロコシぬか、家畜の糞(ふん)、緑葉バイオマスなどの材料を混ぜ合わせ、黒いビニールで覆って最低21日間寝かせることで堆肥が完成するそうです。完成した堆肥は、畑や家庭菜園に活用され、土壌の栄養を豊かにする効果が期待できるそうです。
Nuskin logo

みなさまのご支援のおかげで、ニュースキンの農業教育支援を通じて学んだ農家の数は1万世帯を超え、作物栽培、畜産、家庭菜園などの知識が地域全体に広がっています。学んだ技術は各家庭や村で実践され、地域の自立や持続可能な農業の推進に大きく貢献しています。

10,188 Farmers

マラウイ トリップ参加者からのメッセージ

※五十音順


池田 理紗さん

SAFI卒業生が村に戻り、自立したリーダーとして農業や栄養の知識を広める姿を目の当たりにし、教育の力が確実な変化を生むことに深く感動しました。「魚を与えるのではなく、魚の捕り方を教える」という理念を実際に体験し、知識が村づくりや人々の生きる力につながることを強く実感しました。現地での体験を通じて、SAFIをはじめとするニュースキンの社会貢献活動が、人々の生活や世界に与える影響の大きさを学びました。この学びを多くの方々に情熱をもって伝え、Force for Goodというニュースキンの考え方や活動の意義を共有していきたいと思います。


池尻 一也さん

SAFI卒業生の村を訪れ、人々の温かい歓迎を受ける中で、自分たちが関わった社会貢献活動が地域の暮らしに役立っていることを実感しました。水を運ぶ女性たちの力強い姿から、その日常の大変さを肌で感じました。また、SAFIによる支援の経緯や成果を日本に伝えることの重要性を改めて感じています。この体験を通じて、現地で見たことを多くの人に伝え、今後も支援の「ストーリー」を共有していきたいです。


相原 さとみさん

念願のマラウイ トリップに参加しました。SAFIの村を訪れ、農業や栄養を学ぶ人々が自立して生活を築いている姿に、教育や支援が人々の生活に具体的な変化をもたらしていることを実感しました。ひとつの家族の幸せが地域に広がっていく様子を肌で感じ、子どもたちが安心して栄養を得られることが未来への希望や夢を育む大切な支えになっていることも学びました。SAFIを通じた支援やビタミールの価値を日本で広く伝えていきたいと思います。


松本 玄さん

SAFIの村を訪れ、卒業生が学んだ農業や栄養の知識を地域に広め、生活に活かしている姿に触れ、教育と支援が持続的に地域の発展を支えていることを実感しました。卒業生たちがリーダーとなり知識を広める仕組みにより、村全体に学びが浸透し、数年後にはさらに多くの家庭や子どもたちに影響が及ぶことが見えました。この経験を通じて、一歩を踏み出すことで変化の連鎖が生まれ、自分たちの行動が地域全体の未来を変える力になることを実感しました。現地での体験を日本に伝え、マラウイへの支援の意義を広めていきたいです。

農業学校SAFIでは、多くの家庭が農業を通じて自立できる可能性を秘めています。しかし、資金の制約により、すべての取り組みを実施することはまだ難しい状況です。また、干ばつや予測できない気候変動の影響により、せっかく学んだ技術を十分に活かせない地域もあります。それでも、SAFIの取り組みは多くの家庭に希望をもたらしています。

家族が経済的に豊かになることで、子どもたちは栄養のある食事をとることができ、学校にも通えるようになるはずです……。そこで、ニュースキンジャパンは、これからもみなさまと一緒に、SAFIのノウハウを活かした農業教育支援を通じ、多くの家族の「自立」が持続できるようサポートしてまいります。

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